別冊宝島『「救い」の正体』(1999年刊)

「ポスト・オウムの新・新宗教&カルト全書」というサブタイトルがついている。(その当時の刊行だったので)
統一教会や法の華やヤマギシ会などの、一般にカルトと呼ばれる集団の、信者とその家族のルポが中心。
巻末には「反カルトもカルトではないか」といった特集も組まれている。
なかなか突っ込んだ内容の、興味深い一冊でした。

最も印象深かったのが、ものみの塔(エホバの証人)についての記事。
数年前に、大泉実成という人が書いた「説得〜エホバの証人と輸血拒否事件〜」というルポを読んだのだけれど、その時に持ったエホバのイメージとかなり違うことに驚いた。
大泉氏は、自身が信者として教団に潜り込み、(もちろん本当の目的は伏せたまま)他の信者との布教活動等にも参加してレポートしている。
それを読む限りでは、実際のところは新約聖書の教義を徹底した活動をする、輸血拒否事件のあった当時流されていたような反社会的な集団ではなかったのだという印象を持った。

しかしこの本では、集団洗脳や家庭崩壊の経緯、教義の異常性などを大きくクローズアップし、警鐘を鳴らしている。
まぁつまり、当初の報道のように「巨大カルト集団」として描かれているのです。
この記事を書いたジャーナリストも長年エホバを追っているため、決して単なるでっち上げのルポではないはず。

なのに、この差は一体?
完全なる第三者の立場から表したものがルポだと考えていましたが、そうとも言えないようで。
結局、全てを安易に信じるべきではない、というありきたりな結論を出すにとどまりました。

それにしても、信心と洗脳は紙一重なのですね。
このあたりの問題、知れば知るほど泥沼のように深みにはまっていってしまいます。

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